分解された脂肪酸はミトコンドリアで燃焼する!

分解された脂肪酸はミトコンドリアで燃焼する!

前のページ脂肪の分解と燃焼の仕組み 体の中で起きている事 でも書いたが、中性脂肪はホルモン感受性リパーゼ(HSL)によって3個の脂肪酸と1個のグリセロールに分解されている。分解された脂肪酸はミトコンドリアで燃焼される。

 

「細胞の発電所」といわれるミトコンドリアとは?

ミトコンドリア

ミトコンドリアとは細胞の中にある繭状の形をした細胞小器官で、一つの細胞の中に数百から数千あるといわれている。細胞はATP(アデノシン3リン酸)という物質をエネルギー源にしており、そのATPのほとんどがミトコンドリアで作られている。ゆえにミトコンドリアは「細胞の発電所」といわれている。

 

体の中の細胞はおよそ37兆個あるといわれており、そのすべての細胞にミトコンドリアは存在する。そのうちの約80%は筋肉に集中している。

 

ミトコンドリアのエネルギー燃焼3ステップ!

ミトコンドリアの脂肪酸の燃焼には3つのプロセスがある。β酸化からTCA回路を経て電子伝達系へと3つのステップがある。

 

よく「体脂肪燃焼」などといわれるが、ミトコンドリアの中で何が行われているかというと、燃焼ではなく酸化で、ミトコンドリアの中では電子の交換がおこなわれている。

 

酸化とは分子が電子を失くすことで、この酸化が起きた時、活性酸素がでてくる。美容と健康に関心の高い人なら必ず聞いたことはある活性酸素。ほかの細胞や遺伝子に傷をつける活性酸素は病気や老化の原因になりやすい。だからミトコンドリアの周りには活性酸素に対抗して抗酸化酵素が待ちかまえている。

 

β酸化

脂肪酸はそのままでは燃焼できないので、血液で細胞まで運ばれて細胞の中に入るとアシルCoAに変わる。そのアシルCoAがミトコンドリアの中でアセチルCoAに変わる。この脂肪酸がアセチルCoAに変わることをβ酸化という。

 

ちなみにアシルCoAだけではミトコンドリアの中に入ることはできず、カルニチンの助けを必要とする。ダイエットサプリなんかでよく見るヤツだ。

 

TCA回路

アセチルCoAはミトコンドリアでプロトンという水素イオンを出していく、この水素イオンを出していく工程をTCA回路と呼ぶ。

 

TCA回路で分離された水素イオンはNADH、FADHという酵素により受け取られる。脂肪酸以外でもアミノ酸やビルビン酸もミトコンドリアの中でアセチルCoAとなり、脂肪酸と同じくエネルギーとして利用される。

 

電子伝達系

ミトコンドリアは外膜と内膜という2つの膜があり、TCA回路で出てきた水素イオンはこの内膜と外膜の間に貯まっていく。プラスの水素イオンが増えてくると電位に差が生まれ、そのとき内膜側へ水素イオンが移動する。高低差を利用して水力発電の要領でエネルギーとなるATPが作られる。

 

ミトコンドリアは細胞の水力発電所といえる。

筋肉

 

筋肉には遅筋と速筋という種類があり、遅筋は力は弱いが、持久力に優れている。ジョギングやウォーキングなどの有酸素系のときに使われているのは遅筋で、速筋は力が強く瞬発力が高い。筋トレなど高強度のトレーニングを行うときに使われる。遅筋は脂肪酸をエネルギー源とし、速筋の主なエネルギー源は糖質。

 

ミトコンドリアが多いのは遅筋で、毛細血管も多く酸素を大量に運ぶことができる。脂肪酸の多くは遅筋で燃焼されるので、ウォーキングやジョギング、エアロバイクなどの有酸素系は体脂肪燃焼に有利に働く。

 

オメガ3脂肪酸を摂るメリット

オメガ3脂肪酸、これも美容と健康に興味がある人なら当然聞いたことはあるだろうが、脂質の燃焼を促進させる脂肪酸であることがわかっている。オメガ3脂肪酸を摂り続けることにより食後のエネルギー消費量が増えてくる。ハッキリした事はわかっていないが、褐色脂肪細胞が関係しているらしい。

 

ふつうの脂肪細胞とは異なり、褐色脂肪細胞は脂肪酸を熱に変えてくれる。このため褐色脂肪細胞が増えると代謝が上がり痩せやすく太りにくい体になる。褐色脂肪細胞の本来の役割は体温の維持、大人の場合は筋肉が多いので筋肉が熱を生産してくれるが、赤ちゃんは筋肉が少ないので褐色脂肪細胞が代わりに体温を維持してくれる。

 

大人の場合は褐色脂肪細胞はほとんど機能していないのだが、冷やすことによって復活する場合もある。褐色脂肪細胞は首から下、両肩の間に多く存在するといわれていて、そこを冷やすことによってスイッチが入るとされている。

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